p19・20 10 日吉神社と山の神
<『さいお』春日井市立西尾小学校開校100周年記念ハンドブック>
畦知洞から流れ出てくる畦知洞川が内津川に流れ込むところに日吉神社があります。国道19号から小牧東インター有料道路に入っていく交差点の右手にお椀を伏せたような小山があり、その麓に灯籠と参道が見えるので神社であることがわかります。しかし おもしろいことに、この日吉神社に島居といっしょになった参道が別の方向にもうーつあることがわかります。
日吉神社は、もともと明知村の氏神として創建されました。ところが、西尾村には氏神がなかったようです。そこで、西尾村から明知村に、日吉神社を共同でお祀りしたいと申し出たとのことです。その際、明知村と西尾村の持ち分を6:4とし、もとの参道と社殿そのままとし、西尾村側にもうーつ鳥居と参道を設けることにしたのです。そして、西尾村にある畦知洞の東隣にあるイモジ洞側の3つの池の水利権を明知村に譲るという話し合いをしたそうです。この神社のユニークなところははかって、大晦日に子ども(小学校の中・高学年ぐらい)が朝までいて、参拝者が投げるお賽銭を拾ってもらってもよいという暗黙のルールがあったようだ、ということです。
また、明知村は大字で上嶋・中塢・下嶋と分かれており、神社とは別にそれぞれ山の神の社を祀っていたそうです。それから西ケ洞の下の国道19号の脇のところに、郷嶋と言って共同でお祀りした山の神があります。
昔から村で、春になると山の神が、山から降りてきて田の神となり、秋に再び山に戻るという信仰があるのです。山は農耕に欠かせない水の源であり、そして、遠くから豊かな実りをもたらす神がやってくるという信仰がもとにあるようてす。